2007年10月6日土曜日

犬山市には愛知県下最多の登録文化財

今日は、新たに答申された登録文化財5カ所をマウンテンバイクで回ってきました。

国の文化審議会が、文化財建造物の登録について、9月21日(金)に文部科学大臣に答申したことが、新聞紙上で報道されました。愛知県の物件19件が含まれ、そのうち犬山市の物件が16件を占めています。

この登録文化材制度は、外観を残せば、内部の改修は行えるなど活用しながら文化財を保存するという制度で、平成8年から始まっています。

前置きはさておいて、それぞれ簡単にご案内しましょう。

▼佐橋家住宅(1件)

現在「寅屋」という仕出屋さんですが、かつては、割烹料理屋を営んでいました。その名残を良く残した明治中期に建てられた町家です。



・所在地-犬山市大字犬山字東古券457
・対 象-主屋

▼常満寺(7件)

浄土宗のお寺で、天応4年(1291年)に創建されたと伝えられ、永徳4年(1384年)銘の宝篋院塔などが残されています。



山門は、明治10年(1877年)に犬山城の松の丸裏門を移築したものです。
・所在地-犬山市大字犬山字西古券281
・対 象-本堂、観音堂、大師堂、鐘楼、庫裏、玄関、山門

▼専念寺(2件)

浄土宗のお寺で、京都知恩院の直末で、弘治元年(1555年)犬山城主池田信輝によって創建され、その伯父が開山したとされています。



本堂は、寛文13年(1673)に再建されました。庫裏の建築年代は、元禄2年(1689年)と古く、当時の部材や間取りを残しています。
・所在地-犬山市大字犬山字西古券262
・対 象-本堂、庫裏

▼浄誓寺(1件)

浄土真宗大谷派のお寺で、草創は池田左京太夫源頼重で、蓮如の弟子となり乗阿と称し、明応5年(1496年)池田郡池田村に心光坊を建立しました。



天文年間(1532年~1555年)には、犬山の木下村に移り、元和5年(1619年)には、寺号を浄誓寺と改め、江戸中期に現在地へ移ったとされています。本堂は、文化5年(1808年)に建て替えられています。
・所在地-犬山市大字犬山字東古券256
・対 象-本堂

▼西蓮寺(5件)

浄土真宗大谷派のお寺で、美濃国主土岐左京進源賴茂が蓮如の弟子となり、法名を信慶と称しました。




文亀元年(1501年)宇留間(現在の岐阜県各務原市鵜沼)より犬山北宿(犬山の寺内町~熊野町界隈)へ移り、同3年(1503年)真蔵坊を創建し、慶弔14年(1609年)寺号を西蓮寺に改めました。現在の本堂は、元文4年(1739年)に焼失し、宝暦10年(1760年)に建立されたものです。

・所在地-犬山市大字犬山字東古券539
・対 象-本堂、庫裏、書院、蔵、山門


愛知県全体では、現在258件が登録あるいは答申済であり、今回の19件を加えると、277件の登録文化財を有することになります。

そのうち、犬山市には123件の登録文化財がすでにあり、それに16件が加わることになり、愛知県下の登録文化財の実に5割を占めています。そのうち、59件が明治村に有る物件で占められています。

詳しくは、犬山市の公式Webサイト Home>学ぶ> >文化財・博物館>国指定文化財・県指定文化財 (別ウィンドウ)をご覧ください。

なお、参考までに、登録の基準は、建築後50年以上を経過し、かつ、次のいずれかの条件に該当する場合です。

1 国土の歴史的景観に寄与しているもの
2 造形の規範となっているもの
3 再現するのが容易でないもの

該当する構築物としては、住宅、工場、寺社、橋、ダム、トンネル、塀などです。