2007年10月28日日曜日

城下町秋まつり 2日目 さわやかな秋晴

昨日は、台風の影響で16:00頃まで雨が降りましたが、今日は快晴。人出も昨年の2日目以上と感じました。


相変わらず、人気があり、行列が絶えません。この「山田五平餅店」は、テレビや雑誌などのよく取り上げられ、おいしい五平餅で有名な店です。店主によると、テレビ取材などがあっても、奥様は、手慣れたものだそうです。



戦国武将物語(甲冑行列)も行われ、テレビ局も少なくとも3社、ラジオの生中継が1社入っていました。





今日は、各務原市の航空自衛隊基地でも航空祭が行われ、ジェット戦闘機が華麗に空を舞い、同時に2つのお祭りを楽しむことができました。

さて、そのお祭りの会場のすぐそばでは、国立博物館の「大ロボット博」に出展される新町の車山の運搬準備が行われていました。


新町の車山は「浦島」と呼ばれ、他の車山とは違った独特の形をした舟型の車山です。

(写真の出典は、犬山市史 別巻「文化財、民族編」)







木でできた巨大な車輪が外され、ユニックでまず、トレーラーに積載。それから、巨大なクレーン車を使って、車山本体を慎重にトレーラーに積載していました。




「大ロボット博」の企画・運営は読売新聞東京本社、日本テレビ放送網、国立科学博物館のため、読売新聞の記者が取材に来ていました。2007年10月23日(火)~2008年1月27日(日)の間開催され、それに新町の「浦島」が出展されることとなったのです。

この車山を見て、さらに多くの人が犬山を訪れてくださることを願っています。

2007年10月27日土曜日

城下町秋まつり 夜車山 きれいでした

今日は、城下町秋まつり。台風20号の影響で、ずっと雨。

昨年は、半袖でちょうどいいくらいの秋晴れ。2日間とも透き通る秋晴れでした。


しかし、今年は、朝から雨。夜車山巡行が心配されましたが、16時には雨が上がり、16時30分に行われることが決定されたそうです。その後、人手が急に増え、城前の広場も人々々・・・。



車山は、本来13輛あるのですが、国立科学博物館、「大ロボット博」へ、新町の車山「浦島」が展示されるなどの事情により、10輛のお披露目となりました。


その車山に各町内の人たちが、次々と提灯を掲げていきます。この提灯は365個飾り付けられ、ろうそくが使われます。提灯の和紙をとおして、ろうそくがゆらぐ様子が、手に取るように見られ、とても幻想的で、なつかしい思いがします。

城下町秋まつりに、車山がお目見えするのは、3年ぶり。犬山の町衆の心意気により、実現したものです。



この車山は、犬山市のうち、犬山城下の13町内を中心として守り続けて来たものです。現在、高齢化が進み、この車山を守っていくこと自体大変です。車山を引く手子も若手が少なくなり、応援を得て成り立っているのが現実です。




最後に、各山が引き出され、自分の町内の車山蔵へ帰って行きます。






犬山の住民だけではなく、愛知の宝として、この車山と町衆の心意気を守っていくことが必要です。

明日は、甲冑を身にまとった武者行列が練り歩きます。時間があれば、行こうと思っています。

2007年10月7日日曜日

天道宮神明社 鬼祭り


今日は、実りの秋に感謝して、あちこちで古くからのお祭りが行われています。そこで、前原地区の天道宮で行われた天道祭(鬼祭り)に行ってきました。





大きな地図で見る


場所は、前原天道新田にある大同メタル工業(株)犬山事業所の西です。

この天道宮は、かつて入鹿村にあり、入鹿池(「ため池巡り」(別ウィンドウで開く)の築造に伴って寛永12年(1635年)に現在の地へ移築されました。当時、入鹿村には40軒の家があり、その内24軒がこの天道宮のある前原地区へ移転しました。

入鹿村にあった頃は天頭社と称し、その社内には白雲尼が開山した入鹿山白雲寺という寺社がありましたが、明治3年(1870年)に神仏分離令により白雲寺は廃寺となり、現在は残っていません。


この天道社には、とても立派な楼門があります。この楼門の創建年月は不明ですが、安閑天皇(532年~536年)の勅願によって、入鹿村に建立され、寛永12年(1635年)に現在の地へ移築されたとされていました。



昭和34年1月16日に愛知県の有形文化財に指定されましたが、境内を横切る都市計画道路が決定されたため、西に54メートルの位置に解体、修理、移築されることとなりました。現在のところ、道路は高架で計画されています。

解体の結果、「移築した痕跡が見られない。現在の地で建立されたもののようである。」とされましたが、建立の時期は明らかにはされていません。


さて、この天道祭ですが、前出の白雲尼を讃えて始まったと言われています。かつては、近郷から多くの人々が集まり境内がいっぱいになりましたが、経済が高度成長時代を迎えるとともに寂れていったようです。

古くは、山車(神楽)2台、神馬1頭、馬の塔(オマント)が5つ、鬼、おたから獅子が境内を練り歩いたようですが、現在は、山車(神楽)1台、鬼、おたから獅子と簡素化されています。

以前は、祭礼の最後に鬼は、山神にお参りするため裏山に登っていました。白雲寺は廃寺となりましたが、神仏習合の名残を残しています。現在は、大同メタル工業(株)犬山事業所敷地となったため、山神は、神社の本殿裏に移されており、鬼は、本殿でお参りした後、本殿裏へ回って再度お参りします。


鬼は、子どもたちを追いかけ、おたから獅子は、子どものあたまを噛んだりしながら、270mほどある参道を本殿に向かって進みます。





鬼が持つ榊の葉を取ったり、榊でたたかれたり、おたから獅子に噛まれたりすると、健康と勉学にご利益があるとされています。戦時には、この地区の出征者には、死者が少ないとして多くの人々の信仰を集めたそうです。


このお祭りを見に行って感じたことは、子どもたちが生き生きとして、「あか鬼」から逃げ、そして追いかけ、男の子も女の子も無我夢中で榊の葉をむしり取ろうとしていました。すべての子供の目が、輝いていました。

子どもが主役となり、「あか鬼」が祭りを盛り上げる。子どもたちは、「鬼ごっこ」を心ゆくまで楽しんでいました。

【参考】
1 天道宮神明社・楼門の歴史
2 尾北ホームニュース (別ウィンドウで開く)
(平成19年9月29日発行 4面 「江戸時代から続く「鬼祭り」)

2007年10月6日土曜日

犬山市には愛知県下最多の登録文化財

今日は、新たに答申された登録文化財5カ所をマウンテンバイクで回ってきました。

国の文化審議会が、文化財建造物の登録について、9月21日(金)に文部科学大臣に答申したことが、新聞紙上で報道されました。愛知県の物件19件が含まれ、そのうち犬山市の物件が16件を占めています。

この登録文化材制度は、外観を残せば、内部の改修は行えるなど活用しながら文化財を保存するという制度で、平成8年から始まっています。

前置きはさておいて、それぞれ簡単にご案内しましょう。

▼佐橋家住宅(1件)

現在「寅屋」という仕出屋さんですが、かつては、割烹料理屋を営んでいました。その名残を良く残した明治中期に建てられた町家です。



・所在地-犬山市大字犬山字東古券457
・対 象-主屋

▼常満寺(7件)

浄土宗のお寺で、天応4年(1291年)に創建されたと伝えられ、永徳4年(1384年)銘の宝篋院塔などが残されています。



山門は、明治10年(1877年)に犬山城の松の丸裏門を移築したものです。
・所在地-犬山市大字犬山字西古券281
・対 象-本堂、観音堂、大師堂、鐘楼、庫裏、玄関、山門

▼専念寺(2件)

浄土宗のお寺で、京都知恩院の直末で、弘治元年(1555年)犬山城主池田信輝によって創建され、その伯父が開山したとされています。



本堂は、寛文13年(1673)に再建されました。庫裏の建築年代は、元禄2年(1689年)と古く、当時の部材や間取りを残しています。
・所在地-犬山市大字犬山字西古券262
・対 象-本堂、庫裏

▼浄誓寺(1件)

浄土真宗大谷派のお寺で、草創は池田左京太夫源頼重で、蓮如の弟子となり乗阿と称し、明応5年(1496年)池田郡池田村に心光坊を建立しました。



天文年間(1532年~1555年)には、犬山の木下村に移り、元和5年(1619年)には、寺号を浄誓寺と改め、江戸中期に現在地へ移ったとされています。本堂は、文化5年(1808年)に建て替えられています。
・所在地-犬山市大字犬山字東古券256
・対 象-本堂

▼西蓮寺(5件)

浄土真宗大谷派のお寺で、美濃国主土岐左京進源賴茂が蓮如の弟子となり、法名を信慶と称しました。




文亀元年(1501年)宇留間(現在の岐阜県各務原市鵜沼)より犬山北宿(犬山の寺内町~熊野町界隈)へ移り、同3年(1503年)真蔵坊を創建し、慶弔14年(1609年)寺号を西蓮寺に改めました。現在の本堂は、元文4年(1739年)に焼失し、宝暦10年(1760年)に建立されたものです。

・所在地-犬山市大字犬山字東古券539
・対 象-本堂、庫裏、書院、蔵、山門


愛知県全体では、現在258件が登録あるいは答申済であり、今回の19件を加えると、277件の登録文化財を有することになります。

そのうち、犬山市には123件の登録文化財がすでにあり、それに16件が加わることになり、愛知県下の登録文化財の実に5割を占めています。そのうち、59件が明治村に有る物件で占められています。

詳しくは、犬山市の公式Webサイト Home>学ぶ> >文化財・博物館>国指定文化財・県指定文化財 (別ウィンドウ)をご覧ください。

なお、参考までに、登録の基準は、建築後50年以上を経過し、かつ、次のいずれかの条件に該当する場合です。

1 国土の歴史的景観に寄与しているもの
2 造形の規範となっているもの
3 再現するのが容易でないもの

該当する構築物としては、住宅、工場、寺社、橋、ダム、トンネル、塀などです。