2007年9月26日水曜日

楽田地区で見つけた香り米(古代米)


犬山市の楽田地区の田園地帯を車で通っていたところ、金色に輝く稲穂の一角に黒く輝く稲穂を見つけました。





この地区では、この黒い香り米(古代米)を地区の特産品にしようという活動があり、平成12年からは、地元商工業者組織ととコミュニティ組織が一緒になって商品化にも取り組んでいます。

香り米(古代米)とは、稲の原種である野生稲の特徴を受け継いでいる米(稲)のことで、次の様な特徴があります。

1.玄米の色が赤や黒や緑など有色米が多い。
2.稲穂に針のような芒(のぎ)を持つものが多い。
3.生命カが極めて強く荒れ地や干ばつなどに強い。
4.背丈が1.5メートル以上にもなり、倒伏しやすい。
5.実りのころ、籾が自らこぽれ落ちるものが多い。
6.現代の米に比べて収穫量は半分以下と少ない。



画像で、現代のお米と香り米(古代米)を比較すると、ほかの稲(愛知の香り)より、背が高い特徴を見て取ることができます。





また、左の画像を拡大してみると、香り米(古代米)の色と稲穂の一粒一粒に針のように生えている芒(のぎ)の特徴がよくわかります。




黒米は、ふつうのお米に、少量混ぜて炊くと、ピンク色に炊き上がり、おにぎりにして食べても、ちょっとねばっとしていて美味しいものです。昔は、アズキを入れなくても赤飯を作ることができたのです。



香り米(古代米)は、尾張二之宮の大縣神社や県下二番目の規模を誇る国の史跡青塚(王塚)古墳などの古代のロマンの薫り高き楽田地区のイメージにぴったりです。



香り米(古代米)を使った切り餅や饅頭、ケーキなどの試作品も完成し、2005年に開催された愛知万博でも試作品を出品したところ、「珍しいし、とてもおいしい」と人気を集めました。

犬山市の特産品協会のメンバーらが「観光土産は観光開発の一翼を担うもの。人気のある新しい特産品を目玉にして、全国に知らしめよう」と「濃尾香り米倶楽部」を結成し、「古代濃尾の香り米」と名付けた香り米(古代米)を使った特産品8種類を開発しました。

開発した商品は、濃尾の香り米入りのざるうどんや豆腐各種、鮎ぞうすい、香り米玄米茶、古代米こわ餅、ういろう、赤飯まんじゅう、ロールケーキジャポネの8種類です。

黒米のヌカの部分に含まれている黒色系色素(アントシアニン)には、血管を保護し動脈硬化を予防する効果や、老化に関わる抗酸化作用が認められます。それ以外にも黒米は、白米と比べて、ビタミン類、鉄分、カルシウム、マグネシウムや亜鉛といった現代人に不足しがちな栄養分が多く含まれています。


まだ、この楽田地区でも香り米(古代米)の栽培は、ごくわずかですが、是非古代のロマンをもたらす特産品として定着してほしいものです。地域のお豆腐屋さんは、このお豆腐を使った味噌田楽を提供して、老人ホームなどを慰問されています。